国際学生会議に手弁当で協力 故大来佐武郎氏に感謝(声)
1993年2月13日 朝刊 15ページ 「声」欄
川崎市 高橋浩祐(学生 24歳)
急死した大来佐武郎・元外相は次世代を担う若者にも、勇気や夢を与えてくれた。
九一年秋、米国プリンストン大学で行われた世界三十五カ国からの学生二百人による国際学生会議に、私たちは日本側学生代表として、大来先生をゲスト・スピーカーに招いた。
日本からの交通費は先生自身が負担してくれた。講演料もご辞退された。地球環境問題というテーマで、世界各国からの若者が一堂に集まり、真剣に議論するという趣旨に賛同してくださったからだ。
PKOなどの軍事的な日本の国際貢献策ばかりに目を奪われがちな昨今、先生が生涯取り組まれてきた戦後日本や途上国の民生の向上、地球環境問題、貧困撲滅、人口問題が日本の果たすべき国際貢献策の中心であることを忘れずにいたい。
そういった分野は地味ではあるが、先生は諸外国からの尊敬と信頼を得た。先生の死を無駄にすまい。